「わー、ここ日本の匂いがする!日本にいるみたい。僕ここ好き!」
家族でスペイン旅行に行った時の話です。
バルセロナの漁港近くのレストランに向かって歩いていた時に、息子2人が嬉しそうにはしゃぎ始めました。
「どれだけ日本好きなんだか・・」と可笑しくなってしまいましたが、
日本で暮らしたことのない息子達は、幼稚園児の頃から、雨の日や海のそばに旅行に行くと時々「日本の匂いがする」と言います。
彼らにとって、日本は水の匂いがする国なのでしょうか。
確かに龍の国だものね。
「その感覚、分からなくもないなぁ」
確かに匂いは不思議で、ある匂いを感じた瞬間にその記憶の場所へと瞬間移動させられることがあります。さらには、その場面よりも先にその記憶の感情だけが湧いてくることもあります。
日本で生まれ育った私にとって、季節の移り変わりとともに変化する空気の香りは、何気ない日常の一部でした。春が訪れる香り、桜が咲く頃の夜の香り、夏のドキドキするような夕方の切ないような香り、海辺の潮の匂い、秋の晴れやかな香り、冬の冷たいけど清涼感を感じる香り。
スペインのバルセロナには、独自の個性と魅力が満ち溢れていました。
街ごとアートでカラフルで、レストランも活気に満ちていて、まさにラテンの国だなぁって感じ。
初めて訪れた国のはずなのに、息子たちの言う「水の匂い」「日本の匂い」を意識したせいか、にわかに親しみを感じた単純さよ。
日本を思わせると言えば、食文化からも感じるものがありました。
スペインといえば、やはりパエリア。
スペインは米食かと思いきや、実はパンが主食でパエリアはそう頻繁には食べないらしいですが、でもヨーロッパで美味しくてシーフードの旨みが詰まったライス料理が食べれるのは嬉しいです。
そして小皿料理「タパス」も有名ですよね。
居酒屋料理が好きな私としては、小さなお皿で様々な味を楽しめる文化は、お酒の時間をさらに楽しくしてくれます。以前の記事にも書きましたが、バルでのタパスをつまみながらの一期一会の会話が弾むのは心温まります。
あとは生魚でしょうか。
日本の寿司のように食べる習慣はないかもしれませんが、カルパッチョだったり炙りでマグロやホタテを食べたりできて幸せでした。やはり、新鮮なシーフードにはいつでも幸せを感じます。
生ガキ
マグロの炙り
そんなこんなで、息子たちの一言から、思ってもみなかったスペインと日本との共通点を感じる旅となったのでした。こんな旅も楽しい。
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