欲が悪いことだとは思いません。
欲があるから人は成長すると思うし、だから世界は発展してきました。
ただ、人間の欲望はどこまで続いていくんだろうって思うことがあります。
うちの次男は去年までホームスクールをしていました。
と言っても、その前は学校に通っていて、去年までの1年数ヶ月をホームスクールで過ごしたという感じです。そしてこの9月から、また学校に通い始めました。
理由は長くなるので次回に回しますが、そのクラスでポケモンカードが流行っています。
前回学校に通っている頃、ポケモンカードは結構持っていたけど、ホームスクールになってからは全然興味を示さなかったので捨てたばかりだったんです。なのに、また「みんなとトレードしたいから買って欲しい。」と言われ、まぁ確かに友達と楽しみを分かちあいたいだろうと思ってスターターセットみたいなのを再度購入しました。
その後1ヶ月もしないうちに、「新しいカードが欲しい」と言い出し、夫が買ってあげていました。
喜んで一週間が経った頃、また「新しいカードが」と言い出しました。
「キリがないよ」と伝えると、自分のお金で買うからお願い!と朝から晩まで言い続けます。何を言っても頭の中はポケモンカードに占められているようです。
「じゃあ、もう自分で買いなさい!!」
面倒臭くなって言い放つと、「これで最後。もう当分要らない」とさりげなく言い訳しながら購入していました。とはいえ、買った途端から「次に買った時には、あのポケモンが入ってたら良いなぁ。あ!でもすぐには買わないよ。」と言う次男に不安さえ覚えました。
私はモヤモヤしながらも、どこまで許すのか考えていました。
クラスの友達はたくさん持っていて、自分は持てなかった、、、って満たされずに成長するのも心配な気もして。不満が他人への嫉妬という形に変化していくのも心配で。
私は子ども時代、あまり物欲の無い子だったので、いつも何かを買ってほしい次男の気持ちがよく分からないのです。買いたいだけ買ったら気が済むのかな?と思ったこともあったけど、きっと気が済む日は来ないと思うから、本人の考え方が変わらないと難しいのかもしれません。
当分要らない、と言っていた次男ですが、案の定、最近また欲しがり始めました。
私はさすがに「どこで満足する?今回買っても3日後には次のパッケージが欲しくなっているよね。買ってもらって一通りカードを眺めたら、もう次のパッケージのことを考えているよね?いつまで続く?ものを買い続けて、いつか満たされる日が来るのかな?」と伝えました。
次男は、自分の行動に違和感は感じているようでしたが、「でもねママ、みんなはもっともっと持っているんだよ。」と正直な思いも伝えてくれました。まぁ、確かにカードをいっぱい持ってトレードするの楽しいんだろうなぁ、気持ちは分からなくもないなぁ、なんて思って聞いていました。
そして、思い出したんです。
私も同じだったと。
私は物欲はあまりなかったけど、「これが出来るようになりたい」と思っていたことができるようになると、すぐに「じゃあ、次!次はこれができる自分になりたい」、それができたら「よし出来た、じゃあ次!」っていつでも上を見ていました。
ある時ふと気付いたのは、「あれ?これはいつまで続くんだろう。いつになったら私は満足を感じれるんだろう」という想い。今の次男と一緒です。手に入れた、じゃあ次!って感じで、その手に入れたものをじっくりと感じていないのだから。
「今」を生きていなかったんです。
過去に反省して、未来ばかり追いかけていたんです。「今」を感じていないから、フワフワフワフワ地に足がつかなくて、押し寄せる不安→それを解消するために動く→ひと時の安心→また自分を急かす声→押し寄せる不安・・・を繰り返していた感じです。
この流れを変えることができたのは、「今」を感じることでした。
何かを頑張ってゲットした→喜びや幸せをしっかりと感じる。
この繰り返しをしていくうちに、「もう充分に幸せ」ってことが分かるようになりました。
人の幸せはそれぞれ形が違います。自分が満足できたかどうかです。
他の誰かから見て、「まだ全然ダメダメじゃん!」って思うようなものでも、自分がOKを出していれば満足で幸せです。逆もそうで、「あなたもう完璧よ!」って思えるような人でも「まだ私はダメダメ!」って思っている人にとっては不満足が続くのでしょう。
それを思い出したので、次男に「今あるカードに一度しっかりと満足してごらん。沢山あるよね。良いカードもいっぱいある。全く買うなとは言わないけど、どこまで目指す?いつだって上には上がいて、あなたが200枚持っても300枚持っても、やっぱりもっと持っている子に出会うよ。『あなたは』何枚持ってたら幸せなの?」と伝えました。
これで次男の物欲が変わるかは分からないけど、何度も伝えるうちに少しは耳に心に残ってくれると良いなと思います。結局、たとえ自分の子どもであっても変えることは難しいです。強制することはできるけど、それは親の権力が及ぶうちだけのこと。本人がしっかり自分で気付かなければ、親の管理下でなくなった時に出て来ると思います。押さえつけられていたので、欲望のエネルギーを増していることだってあり得ます。
何事もバランスを取るのが難しいですね。
子どもに教わること、遠い記憶を蘇らせられること、色々あります。
そして、自分も一緒に成長しているのだと感じます。
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